Holiday <by ユウコ>
(注)歌詞でありません。 曲の解釈を、勝手に解釈したものです。
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ヒマワリが咲き乱れる夏のある日。
新品の麦藁帽子を被って汗を流している君が僕の前を横切った。
真っ白な花柄のワンピースからこぼれる石鹸の匂い。柔らかくて綺麗になる。
僕は君に呼ばれたわけじゃないのに後を追った。そっと、息を潜めて。
君を好きになってしまった。
僕はずっと恋なんかしたことなかった。
いや、出来なかったんだ。嫌われたり、好きになっても他の人を好きだったりするのが怖くて・・・・・・。
君が家の中に入るのを黙って見届ける僕。ふと地面を見下ろす。
これで何日目だろう?
1週間ぐらいは経ったかな?
あのアパートから出て行く姿を追いかけて、声を掛けるわけもなく、ただ君が友達と会ったり買い物をする姿を見ているだけ。
それだけでも幸せだ。やっていることはおかしいかもしれないけど。
あぁ、恋ってなぜこんなにも恐ろしく素敵なんだろう。
君に会わなければ僕はもう少し普通に生活できていたのに。
僕は君のことをずっとつけてまわったりなんてしないのに。
こんなに苦しくなることなんてなかったのに・・・・・・。
僕は切ない気持ちのまま家に帰った。
そして、夜は君のことを想って、自分自身を慰めていた。
ヒマワリたちが元気じゃなくなった日曜日の朝、僕はいつものように君の住むアパートに向かった。
この時間なら君は出てくるはずなのに、出てこなかった。
いつまで待っても・・・・・・。
何でだろう?どうして出てこないの?
君は何処へ行ったの?
僕はフラフラと町中を歩いた。本当はやめなきゃいけないのに君の姿を見れるだけで元気になるんだ。
もし、君が僕の事に気づいたって僕は何もしないよ。
だけど、君の姿が見えないから余計に探してしまうんだ。
太陽が沈みかけた頃、僕は諦めきれずにすっかり重たくなった足を休ませて、君の住むアパートを眺めていた。
カーテンが開いた、でもすぐに閉ざされてしまった。
僕の目は一瞬だけ、君の姿を捉えた。何かに怯えているように思えた。
何だ中にいたのか・・・・・・。
その日の僕はおかしかった。
心がズキズキと痛むのに、君の住む部屋へと向かった。
僕は君の事をずっと見ていたいだけなんだ・・・・・・。
頭の中で君の事を想っているだけじゃ駄目なんだ・・・・・・。
あの部屋に君がいたらきっと気持ちは楽になるだろう・・・・・・。
だから、僕は・・・・・・。
僕はドアの前に立ち、3回ノックをした。少し乱暴だったと思うけど大好きな君の姿を見るためだ。
ドアは低い唸り声を上げて少しだけ開いた。
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