皮膚の基本構造
人間の皮膚は、体の表面から表皮、真皮、皮下組織という構造をしています。
表皮にはさらに表面から角質層、顆粒層、有棘層、基底層という4層構造となっています。
皮膚の最大の役割は、体の外部からの刺激や異物の侵入を防ぐバリア機能です。
バリア機能を発揮する上で重要な役割をしているのが角質層です。
角質層は、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐだけでなく、体内の水分が蒸発するのを防ぎ、皮膚の潤いを保つ役割も果たしている。
表皮の一番下の層は、基底層で、ここの細胞を基底細胞と呼んでいる。
この基底細胞は、規則的に細胞分裂を繰り返し、分裂した2つの細胞の1つが有棘層に上がっていく。 この細胞は、徐々に上方に移動し、角質層に達したら、一番外側の細胞から剥がれ落ちていく。 これを皮膚のターンオーバーと呼んでいる。 このターンオーバーは、部位や年齢にもよるが、約1ヶ月程度の周期と言われています。 つまり、1ヶ月程度で皮膚が生まれ変わっているということです。 いわゆるアカですね。 このターンオーバーの活動が盛んなのは夜中なので、夜ふかししていると、肌の新陳代謝が悪くなり、肌荒れの原因にもなります。 夜更かしは、ほどほどに・・・。
角質層
それでは、角質層の中はどうなっているか説明しましょう。
角質層は、角質細胞とその間を埋める細胞間脂質(セラミド)からできている。
角質細胞の中に天然保湿因子NMF(ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)が含まれる。
このNMFは、水分子と結合する力が強く、水分を保持する働きが大変高い。
その為、NMFが減少すると、角質細胞の中に含むことができる水分量も減り、肌の潤いがなくなり、肌が乾燥してしまう。
アミノ酸が保湿に貢献
肌の保湿に大きく貢献すると言われているNMFの主成分は、アミノ酸です。 乾燥し、荒れた肌の角質層では、アミノ酸の含有量が減少していると表現する場合がありますが、これは、NMFが減少しているということです。
角質層のアミノ酸は、石けんで洗っただけでも減少してしまいます。 水分が不足してカサカサと荒れた肌は、健康な肌に比べてアミノ酸の量が少なくなっている状態と言われます。 肌にアミノ酸を補給する意味で、最近ではアミノ酸を配合した化粧品がたくさん見受けられるようになりました。
アミノ酸を化粧品に配合した場合、「どれくらい皮膚に浸透するか」という疑問が出ると思います。 アミノ酸の分子の大きさはコラーゲンの分子の大きさに比べて約3000分の1ですので、角質層への浸透力にすぐれているといえます。 肌にすいこまれるようになじむ理由はここにあります。
逆にコラーゲンを肌に塗ってもほとんど吸収されません。