一つのアミノ酸不足で不調に
細胞内ではDNAの暗号が示す通りにアミノ酸がつなぎあわされ、必要なタンパク質が作られています。特定のタンパク質を作る為、どのアミノ酸がどれだけ必要になるかが確定している以上、なにか1種類のアミノ酸でも在庫がなければ、代用がきかない為、目的のタンパク質作りは完成しません。
体のどこかでタンパク質が必要になったとき、必要量を瞬時に作りだす為には、原材料となるアミノ酸が全種類、且つ十分量が体内で使われる比率に応じて、バランスよく体内に存在している事が、なににもまして重要なことです。
たった20種類のアミノ酸がわたし達の体の何万種類ものタンパク質を作り、また何千種類もの代謝にかかわっているのです。それぞれのアミノ酸があらゆる場面に登場しなければなりません。
たった1種類足りなくても影響は、広い範囲に及ぶことになります。
アミノ酸不足になると・・・?
ほとんどの人は、体内のアミノ酸のことなど気にしないで食生活を送っていても「どこかの皮膚が作られなくなっちゃった!!」などということはありません。
体内に日々新しいアミノ酸が運び込まれてこなければ、そこにある材料で、やりくりします。DNAの暗号にもとづいてアミノ酸が順番につなぎ合わされていくときに、新しい材料が調達できなければ、体は古い材料を使うしかありません。体の要求を満たすのが先決ですから、多少傷があったり、汚れがあっても気にしてはいられません。それが、肌の老化ということで表面化する人もいれば、血管の老化、肝機能の衰え、あるいは、深刻な病気として襲ってくるかもしれません。
食事だけではアミノ酸不足に!
いくらタンパク質の「量」「質」を考慮してバランスのいい食事を心がけていても、アミノ酸不足に陥ってしまう事は意外に簡単な事です。
検査の数値に異常が認められるような人は当然のことながら、動作が鈍くなった、目がかすむ、疲れやすい、なんとなく体の具合が優れない、精神的にすっきりしない。 というようなことであれば、まず間違いなく代謝プロセスのどこかでアミノ酸不足に陥っています。
アミノ酸摂取の全体量の不足はもとよりたった一つのアミノ酸不足でも各種機能低下、さまざまなトラブルにつながります。