炭酸ガスのお風呂に入るとボーア効果で多くの酸素が体中に巡ると言いますが、このボーア効果って何でしょうか?
また、重炭酸湯との関係はなんでしょうか?
わかりやすく解説します。
ボーア効果とは
酸素を血液から組織へ移動させる
血液の中には、通常 酸素がたくさんあり、飽和状態になっています。
つまり、酸素を頑張っていっぱい吸っても効果は小さいということです。
大切なのは、血液から体全体の組織へ酸素を供給することです。
その組織への酸素供給を促進する効果が高いのは、血液中の二酸化炭素濃度を高めることです。
なぜ二酸化炭素が多いと酸素が血液から組織へ移動しやすくなるのかは、ボーア効果が影響しています。
ボーア効果とは
ボーア効果とは、血液中の酸素を多く組織へ供給する作用のことです。
血液中の二酸化炭素濃度を高くなると、酸素を運ぶ赤血球(ヘモグロビン)は、酸素不足と認識し、酸素を離しやすくなります。
赤血球から酸素が離れることで、酸素が血液から組織へ移動してくれます。
組織へ十分な酸素が供給される結果、代謝が高まり、ダイエット効果や疲れが取れる癒し効果も期待できます。
炭酸ガスがボーア効果に与える影響について
炭酸ガス(二酸化炭素)を多く取り込んだときに、どのようなメカニズムでボーア効果が発動するのか?
というお話をしたいと思います。
血液中に取り込まれた炭酸ガスは、水と反応して、 炭酸(H2CO3)を生成します。(1式)
CO2+H2O → H2CO3 (1式)
しかし、炭酸(H2CO3)は、次の平衡式によって、相互に変換しています。(2式)
H2O + CO2 ←→ H2CO3 ←→ H+ + HCO3- (2式)
血中のCO2が増大すると、平衡を保たせるため、
「H2CO3 → H+ + HCO3-」 の方向への作用が強くなります。
つまり、血中の水素イオン(H+)が増大することになります。
この水素イオン(H+)が、オキシヘモグロビン(ヘモグロビンに酸素が結合したもの)(HBO2)と反応して、
デオキシヘモグロビンと酸素(O2)に分解され、酸素(O2)が、酸素を必要としている組織へ運ばれます。
H+ + HbO2 → HHb + O2 (3式)
重炭酸湯で健康増進
重炭酸イオンがたくさん溶け込んだ重炭酸湯のお風呂に入ったら、血中の炭酸ガス濃度が上がります。
それにより、ボーア効果が働き、結果的に体全体に必要な酸素が行き渡り、体が元気になります。
また、代謝が促進され、免疫力増加やダイエット効果も期待できます。