スピッツの歌詞解釈のコーナー

さらさら by kanana


(注) 歌詞 でありません。曲の意味を勝手に解釈したものです。

強くてとても弱弱しいフレーズに胸を射抜かれた

弱弱しく甘えつつも、「そばにいろ」と上からの強気な姿勢を見せている反
面、「自由でいい」と強気に上から許可を出しているにもかかわらず、結局
とても弱気。

”見てないときは自由でいい”

このフレーズになきました

きっとこれは年をとったからならではのフレーズな気がする。
若いときはきっと
「眠りにつくまでそばにいたい、そばにいさせて」
「眠りにつくまでそばにいるね」」
だったのが
嫉妬や妄想に狂い
「眠りにつくまでそばにいろ 見てないときも一日中俺のことを考えろ」
になり、相手の人を疲弊させて壊してしまったのでしょう
最終的に
「見てないときは自由でいい」
に変化していくのかと。
勝手な感じ方ですけど。

そこからの
「見てないときは自由でいい」
なのかしらと感じました。
束縛しすぎた反省的な。
ほんとうは全部を手に入れたかったけれどそんな考え幼稚で浅はかだった。
今はわかる。
でも、せめて自分といるときだけはちゃんと自分を見ていて。どっかにいっ
てしまわないで。
もうしないから戻ってきて。
的な。

勝手にそういう観点で歌詞を読んでみましょう。
束縛DV男の後悔の歌。
ドロドロの反対は、さらさら。

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ほんとはただふつうに一緒にいたいだけなのに
不安と妄想にとりつかれてきみを
ぼくだけの鳥かごで飼いならそうとして
閉じ込めてしまったら
きみのこころは壊れてしまった
愛の伝え方を間違えてしまったのに
気付くのがおそすぎた
きみはぼくの言葉ひとつひとつに怯える
だから言葉を選んで慎重に話しかける
ふつうに素直に話しがしたいだけなのに
きみは怯えてこころを閉ざす
いつしかふつうの会話もできなくなってしまって
静寂。
そしてもうきみもいなくなってしまって
部屋もがらんとしている。
静寂。

多くはなにも望まない
きみのすべてを手に入れようなんて
大それたことはもう望まない
いっしょにいない時間のきみを妄想して嫉妬に狂うなんてことはもう無意味
だと気付いた
いっしょにいる時間が本物ならもうそれでいい
ただ、このいっしゅんだけでもいい
眠りにつくまでそばにいてほしいだけ

まだきみがもどってきてくれるって信じてる。
きみがいなくなってしまった悲しみは
もう一生忘れないから
同じことはくりかえさないから
もどってきてほしいんだ

「なんで謝るの?」「ごめん」「意味もなく謝らないで」「ごめん」
そんなやりとりを繰り返してゆがみは大きくなっていく
ぼくが不安と妄想と嫉妬でおかしくなってから
ふたりの関係はゆがんでしまっていた
お互い何に怯えていたのか
今となってはほんとうに的外れだ
それでもこの関係が壊れるなんて思ってなかった
壊れるはずはないって甘えていたんだ
きみのきもちはもうすっかりつめたく冷え切っていたのにね

いつもきみのことを気にしていたい
それはうらめに出ていたんだろうか
些細なことが気になってしょうがなかった
きみの全部を把握していないと不安で仕方なかった
永遠なんてないって知っていたから余計に不安だった
であった頃、ふたりでいたころはあんなに楽しかったのに
いつからおかしくなってしまったんだろう
ふつうに楽しくすごしたり
わくわくしたり
そういうの、ふつうにやりたいのに、
どうしてできなくなってしまったんだろう

自分の過ちが自分に返ってきてつぶされそうに辛い
どろどろににかたまってしまった
自分のきもちも
さらさらと流れるように作り変えていかなくちゃ
水槽の中にとじこめていた
魚を湖へ解放するように
もっとはやく気付いて
きみを信じればよかった
がんじがらめにしばって閉じ込めたきみを
解放しなくちゃいけなかった
ぼくが好きだったのは、自由に泳ぎまわるきみだったはず

そう気付けたから
今ならまたきっとやりなおせる気がするんだ
これは都合のいい妄想じゃない
「夢でした」でおわらせたくない
なんども考えて
そう思ったんだから
信じて待ってたらきっと
かなうはず。

もう、きみがもどってくる可能性は低いのかな
ぼくらをつないでいる結び目なんてもう
ほどけてしまっているのかな
それでも、もどってきてほしいんだ
犯した過ちは忘れないから

きみを束縛するなんて幼いことはもうしないって誓うから
きみを信じるから
見てないときは自由でいいから

そばにいてほしいだけなんだ



kananaさんからの投稿です。

勝手に俗っぽい束縛DV男の後悔の歌にしてしまってすみません。
「見てないときは自由でいい」
このフレーズがほんとに刺さりすぎて。
見てないときも妄想で縛り上げて四六時中俺を想えと言っていたひとが「見
てないときは自由でいい」っていうようになる心境って、すごいなあって、
すごいせつないなあと思ってしみて泣いた。
さいしょに聞いたときは、スピッツらしいけど特にふつうだなあって印象だ
った歌が何度も聞くたびに胸にしみこんで離れない歌になっていく。せつな
くて強くてもろくて、孤独で、これは年をとったスピッツの歌だなあって
(いい意味で)思う。