田舎の生活 by カフカ
(注) 歌詞 でありません。曲の意味を勝手に解釈したものです。
小川で流れる滑らかに澄んだ水を、昔のように手で掬い口に含んだ。
暑い夏の午後。久しぶりに帰って来た故郷で懐かしい匂いが風に運ばれ、私にもとへ届いた。
実家の野うさぎと戯れる時、足下の笹百合の花を見て昔を思い出した。
都会では見られない澄んだ夜空で、流星群を見ながら彼女を思い出した。
駅のホームで別れを告げたあの日。
どうしても言えなかった。「さよなら」が。
その一言で永遠に会えなくなるんじゃないかと。
電車は発車し、窓の向こうの彼女に手を振る。
東京の夜景がだんだんと遠のいていった。
もう彼女には会えない。
一番鶏の声で目覚めた。いつの間にか眠ってしまった。
霞の向こうの山を見て彼女を思い出す。「さよなら」
数年後、僕は幼なじみと結婚し子供を設けた。
収穫した野菜を洗う彼女と
縁側でじゃれあう僕らの子供。
暖かい春の日差しを浴びながら、僕はここで一生を過ごす。
穏やかな日常の繰り返し。
机の中から出て来た彼女に送ろうとして結局送れなかった手紙。
封を開け中を読む。あの時の僕はまだ若かった。
手元にあったアルミ缶の中に手紙を入れ蓋を閉めた。
もう読む事も無い。
さよなら思い出。
さよなら昔の僕。
さよなら。 さよなら。 さよなら。
また 君と会えたらいいな。いつか。また。
カフカさんからの投稿です。