クリスピー (作者:ひかる)
クリスピー 【21】
――いつから私はこんなに憎い人間になってしまったんだろう。
息を吸えば、春のにおいがする。
もう春が来たんだな。
チャリリーン
ナナ「いらっしゃいませー・・!
父「久しぶりだな・・・
ナナ「お父さん!もう何十年ぶりよ!どこ行ってたの?体は?大丈夫?
父「大丈夫だ。少し外で話さないか。
父に誘われて、近くの公園へ行った。
彼「よっ!
ナナ「なんであなたが来
彼「連れてけ!
そういった途端、黒いスーツに身をまとったボディーガードみたいな人たちが出てきて、
無理やりナナを車の中へ押し込んだ。
ナナ「!
バタン!行け!
ブロロロー・・車はどこかへ向かって走り出した。
父「すまん、ナナ・・。
気づいて外を見ると、全く知らないところだった。
「翔君・・・
ナナの父は本当にこれでいいのか、と思い始めていた。
「だめだ・・・やっぱりこんなことしちゃダメなんだ!
いつかの便りで聞いていた、あの翔君とかいうやつに言うしかない!
走った。翔がどこに住んでいるのかも知らなかったから、とにかく街を走り回って探した。
「翔君!翔君はいませんか!ナナが、、ナナが!
一人振り向いた男がこちらへ走ってきた。
「ナナちゃんがどうかしたんですか。
お互いがお互いを確かめる事はしなかった。でも、なぜだろう。
お互いがお互いをわかることができたことは事実。
走り出した。翔は一生懸命、ナナのことだけを思って走った。
でも途中で思った。
「なにがナナちゃんのためなんだ。自分が一番欲してたじゃん。」
どうする、自分。
ナナちゃんは何を思ってる?
「空を見て」
翔は自分で言った言葉を思い返した。
辺りに人はいない。大きく息を吸って、空を見た。
右手の人差し指を空に掲げて、スキ そう書いた。
きっとナナちゃんも見てる。そう思った。
いつか聴いたことがある。
♪もう迷うこともない 僕は一人祈りながら
旅立つ君を見てるよ
―空高く書いた文字 いつか君を照らすだろう
終わり
■あとがき
クリスピーなのに、魔女旅に出る も並列して
実は話に参加してたというわけなんです。
ややこしかったですよね、すみません。
でも、初めてやってみて面白かったです^^*
読んでくれてた人は多分いないと思うんですけど、
もしいたらありがとうございました。
ひかる 著