スノードロップ (作者:香夜)
スノードロップ 【13】
今日、あたしは 愛しい君に会いに行く
“幼なじみ”として―
早朝
「・・・んーっ」
あたしは不安と緊張・・・
そして楽しみを胸に抱え
起き上がった。
「・・・まだ5時かぁ」
なかなか眠れなかった・・・
まるで遠足の前日のような・・・
「・・・大丈夫大丈夫
ちゃんと“幼なじみ”だから」
9年前のあの日には
戻りたくない
戻したくないから―・・・
気がつけばもう8時。
3時間も経っていた・・・。
あたしは髪を弄っている。
でも、時間がないので
おろして行くことにした。
ー空港ー
「あー、なんか緊張するぅ;」
手続きを済ませ、売店で買った缶コーヒーを
飲みながら あたしは言った。
久々だもんね
もう何年も会ってなかったし・・・
あたしはそっと瞳を閉じる。
圭汰は・・・向こうで待ってるかな
あたし・・・ちゃんと話せるかな
笑えるかな
ちゃんと“幼なじみ”できるかな―
不安も緊張もある
―でも、迷ってる暇なんてない
進まなきゃ変わんない
変えられない・・・―
香夜 著