魔女の印 (作者:ひかる)
魔女の印 【3】
「好きです」
気持ちがこぼれた瞬間だった
「私も。」
どんなに傷ついてもいい
君との思い出を、少しだけでもいいから
一生忘れないように、この胸に切り刻んでみたい
弄ぶ相手でもいいから、同じ時間を過ごしたい
それからは、想いが弾けて
パチパチと火花を散らした二人の恋模様は、
まるで花火のようだった
不意にしたキスは、甘い音がする
あんなにスポーティーな君の照れ顔は
僕の宝物。
もしかしたら・・・って、思ったりもした
でも、そんなこともなかった
しょせん、人生はゲーム
緩やかであっても、でこぼこであっても
皆、違うゲームの道にいて、世界を旅する
その証拠に、君は新しい男に目をやった
仕方がないさ、僕が繋ぎとめておけなかったんだもの
ガリッ
そこらへんに落ちてたモノを食べて
僕は言った。
「このねじれた恋は、ラズベリー味だな」
ひかる 著