タイム・カプセル (作者:えりんこ)
タイム・カプセル 【3】
「あぁ。。疲れた。結局間に合わなかったし。」
ひとりでとぼとぼ歩く高校生がいた。
「いいや、CDショップで寄り道しよう。暑いし。」
その少女はCDショップに向かって歩みを進めていた。
この少女はあの未来の娘の未紀だ。
「さしす〜さしす〜さしす〜!!あった〜♪」
未紀はまっすぐCDの陳列棚のス行に向かった。
「あれ?」
首をかしげた。
「うわー!ヒバリのこころ!しかも8センチ盤!さすがのお母さんも持ってないだろう! 買っちゃおう!」
未紀は嬉しそうにCDを買って帰った。
「たっだいま〜!」
「あ、おかえり。 学校間に合った?」
「そんなわけないでしょ! あと5分とか無茶だって。」
「まぁそうでしょうね! でも、なんでそんなにハイテンションなの?」
「ふふ〜ん♪ 聞きたい?」
「そんなこと言われたら聞きたいに決まってるじゃない!」
「タッタラタッタンターン!」
未紀はバッグからさっき買ったCDを出して、母にみせた。
「持ってな・・・」
「持ってるわよ!それ。」
未紀が言う前に母が答えた。
「この母が持ってないとでも思ったの?」
「そうだろうと思ったけどさ。結構レアだと思ったのに〜」
「レアだけど持ってるのよ〜 割れちゃったけど。」
「割ったの!? もったいないなぁ!」
「アハハ。こんなお母さんなんだから、わかるでしょ?あんたにも。」
「はいはい。超わかりますぅ〜 では!早速・・・♪」
「お気をつけて〜」
未紀は軽快に階段を駆け上がり、母だけが残った。
「もしかして、あの子も・・・」
えりんこ 著