タイム・カプセル (作者:えりんこ)
タイム・カプセル 【12】
「ってどういうことですか。」
「こ、これはそのー旅に出てまして…」
「と・く・に!台所ってどうなんでしょう…」
部屋に入るないなや未紀は隠す草野をどかし、台所に潜入した。
「レトルトの容器に〜カップ麺…はぁ。栄養大丈夫ですか?」
「す、すいません…」
(なんで未来ちゃんと同じようなこと言われてんだろう…)
「1000円で今日の夕飯つくるんで。」
そういうと未紀は手を草野に差し出した。
「1000円でなんとかします!」
キラキラした目で見つめると、よれよれのサイフからくしゃくしゃの100
0円札をだした。
「では!この辺のスーパーは大体分かるんで!」
「え!なんで?」
「だって、この辺りは私の住んでる辺りとほとんど同じなんですよ。で
は!」
そういうと、一目散に部屋を出て行った。
「今からだとあそこのスーパーの夜市には間に合う!」
いつも通いなれたスーパーへ向かった。あるかどうか分からないのだが…
「あった!あった!こんなに前からあるんだ…」
スーパーを見つけると、かごとカートを駆使し、商品棚から特売品をゲッ
ト。
余計な物を買わず、そして安く買う。それが未紀の得意技だ。
「今日もいいねぇ。やっぱり安い!」
満足感に浸って外へ出る。
「あ、そういえば、どっちから来たんだっけ…」
「地形は似てるけど、正宗さんのアパート…知らないよ…」
えりんこ 著