タイム・カプセル (作者:えりんこ)
タイム・カプセル 【19】
「ようこそ!スピッツへ」
草野が笑いかけた。 それにしても周りは目を丸くしている。
「お、おい!正宗ーまさかの??」
印象的な髪型の男が草野におびえるように呼びかける。
「未来ちゃん」
草野は即答した。
「マジ!?え?ホント?」
「残念。正解は未紀ちゃんでしたー」
「んなもん知るか!!って未来ちゃんにそっくりだね、この子!」
「だって、未来ちゃんの娘さんだもん♪フフーン♪」
「お、おい!正宗どういうことだ!?」
「こういうこと!ね?たーむら♪」
「うん、そーだね。」
「って田村知ってたのか!?」
「崎ちゃーん!正宗ひどいぞ!」
さっきのロン毛の男はドラムに座っていた男に擦り寄った。
するとドラムに座ってたちょっと目が穏やかな男がたずねた。
「でさ、正宗どういうこと?」
「あ、なんかね、未来ちゃんと登場の仕方は同じみたい」
「じゃあ、タイムスリップってやつ?」
「うん、そうらしいねぇ〜あ、そうだ未紀ちゃん。自己紹介して!」
「え!?」
「いーから、いーから! ほい!集合!」
草野が呼びかけると未紀の周りに4人が集まった。
「えっと…日向未紀と申します。母はみなさんご存知の通り、日向未来で
す。よろしくお願いします。」
頭を下げると拍手が聞こえてきた。
「じゃあ、今度は俺らだね? 俺はご存知の通り草野正宗です!」
「このロン毛な男は三輪テツヤです!」
「テツヤです!金八先生じゃないよー」
「で、未紀ちゃんが昨日会ったのが田村明浩です!」
「田村です!よろしく!」
「そしてこのちょっとカッコイイのが崎山龍男です!」
「崎山です。よろしくお願いします!」
「こんな感じです♪」
「は、はぁ、よろしくお願いします!」
「よーし!じゃあ練習する?」
「そーだな。しようか。」
草野が田村に呼びかけるとみんなそれぞれ位置についた。」
掛け声と共にスティックの木の音が聞こえた。
えりんこ 著