◆全文紹介
- 生き物の中には、厳しい自然の中で生き残るために、生活の場所を変える動物が存在する。
- この移動する現象は「渡り」と呼ばれており、季節に合わせて周期的に行われたり、一生に一度だけ生まれた場所へ戻ったりするパターンがある。
- 私たちが見かける渡り鳥はその代蕪Iな例であり、季節ごとに遠く離れた繁殖地と越冬地の間をゆききしている。
- 冬の使者ともいわれているオオハクチョウは、シベリアで春から秋にかけて繁殖活動を行う。
- 冬になると湖や沼が凍結するために、食料である水草を求めて日本に飛来する。
- その移動の詳細なルートについては、長い間不明であった。
- この謎を解くために、GPSを使用した共同調査が、日本とロシアの科学者により行われた。
- その結果、約3000キロに及ぶ飛行ルートが判明した。
- 過去の研究から、渡り鳥が太陽や星の位置を利用したり、風の向きや気圧の変化を感じたりすることで、飛行ルートを選び出していることはすでに分かっていた。
- 今回の調査結果で、渡り鳥は目的地に向かうルートに誤差が生じると、進路に修正を加えることが判明した。
- つまり、渡り鳥はリアルタイムに判断をしながら、最短距離を飛行していることが裏付けられた。
- 今までの調査研究の成果は、幅広い分野への応用が期待されている。
- 現在、世界の自動車メーカーが、自動運転に向けた技術開発を競うように進めている。
- その技術を実用化するためには、渡り鳥の持つ迫ヘが役立つと考えられている。
- この迫ヘには、まだ解明されていない点が多くある。
- 現在も、科学者たちが地道な研究を続けており、少しずつ進んでいる。
- 今後、渡り鳥の持つ迫ヘから生み出された技術が、私たちの生活を一層便利にしてくれるだろう。
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