スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青 い 車 (作者:白炎)

青 い 車 【5】

君は、僕が君の質問に答えないとたまに拗ねて見せた。
そんな君も好きだったけれど、僕は答えを変える気はなかったんだ。
言っただろう?僕の中に君への愛のことばは存在しないと。


それでも尚、君は僕に質問しつづけた。

”何故、時を止められないの?”
”何故、貴方といると時が経つのが早いの?”
”何故、感情は言葉を越えるの?”

君は何時だって真剣で、僕も真剣だった。
君との時は、過ぎるのが早かった。

年を取る事を嫌った君は、誕生日と言うものを教えなかった。
今思えば、知らなかったほうが良かった。


太陽が沈むのが早くなった。
僕は君と夏が終わるのを みた。

白炎 著