スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青 い 車 (作者:白炎)

青 い 車 【6】

木々が美しい緑を鮮やかな色に変える頃、僕は初めて君に質問した。
君の質問に答えなどしかったのに。

”僕を愛してる?”


長い間、僕といたせいだろう。君は答えてはくれなかったね。
そう、君は ”さぁ?” そして嬉しそうに笑ったんだ。


僕は如何して、君に質問をした?

不安になったんだ。
愛されたいと、愛をことばにして欲しいと願ったんだ。
僕は何時の間にか、君に愛される事を望んでいた。
君が傍にいてくれるだけでよかった。そう思っていたのに。

それでも、それでも僕はことばを求めたんだ。


そして、初めて君の事を知りたいと思いはじめた。

白炎 著