クリスピー (作者:ひかる)
クリスピー 【12】
「わ〜い!CDが二枚・・・*」
翔の家には、自分で買ったものとナナにもらった‘空も飛べるはず"が。
8センチCD、もちろん、CDケースに収められていた。
ナナにもらった方は、今日も眺めていた。
1995年8月
とても暑い。セミはミンミン鳴いてる。
翔は相変わらず、街外れの小さな工場で働いていた。
(※と言うか、アルバイトしてることになってたのに
話に出てなくてすみませんでした(汗
「そういえばどこかへ出かけたいな、二人で。」
そんなことを考えていたら今日も頑張れる。
翔とナナが出会って、もうすぐ2年
翔「ナ〜ナちゃんっ!どこかへ行かない?
ナナ「えっ!本当?
ナナも乗り気だ。僕も嬉しい。
そして1週間後。僕の車で、少し遠くの海へ行った。
翔「二泊三日だから、二日目は自由にできるね。
ナナ「そうだね。
車の中では、翔は運転しながら小声で歌い、ナナは訊く。
♪君の青い車で海へ行こうー
ナナ「それは?
翔「‘青い車’!
♪ほら イチゴの味に似てるよ〜
ナナ「それは?
翔「うーん。内緒っ!
一番大好きな一曲だから、これはとっておきたい。
ナナは、前の彼のことが気になっていたが、
この三日間はすべて忘れて楽しもうと思っていた。
ひかる 著