スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【4】

“ものごとには、必ず 終わりがくる”
 
・・・と言うけれど


あたしは 今まで大切にしてきたものの
 
“終わり”なんて 



見たくなんか ないよ―




早朝
窓の外が明るくなってくる頃

「・・・ん?」

あたしは眠りの世界から目を覚ました。
そして、時計へと手を伸ばした。

時計が示す時刻は AM5:00

「ええっ!?」
今までこんな時間帯に起きたことがなかったので、思わず
時計の文字盤に叫んでしまった。

いつもは学校に行く寸前まで、寝てるのになぁ・・・
今日は行くまでに2時間もあるし・・・

どしたんだろ・・・


そんなことを思ってるうちに
またあたしは夢の世界へと入っていった・・・




AM7:00

「明日香ー!!」

下の階から必死に母が叫ぶ。

「起きなさーい!! 遅刻するわよーーッ!!」

「・・・ん」
その声であたしはようやく目を覚ました。

「・・・?ありゃ??もう7時!?」

あたしは着替え、下へと降りていった。


「あら、今日はまともに起きてきてるじゃない!!
 どうしたの?」
母が驚く。
「もーぅ!失礼なっ!!」
あたしはふくれっつらになる。
「はははっ、ごめんって! ほら、早く食べちゃって!!」
「ほーい」
あたしはそう言って、食卓についた。


すると、


ピーンポーン♪


ベルが鳴った。


「はいはい。
 ・・・誰だろ?こんな早くから」
母は玄関へ向かう。
あたしはその姿を朝食のトーストを口に銜えながら、見ていた。

母の話声がする。 タメ口だ。
知り合いか?


すると、母は戻ってくるなり、
「・・・圭汰くん、迎えにきてるけど・・・」
と、言った。


「は、はぁ??」
思わずあたしはこう言った。

 
迎え??なじぇ??



あたしはまだ 
この圭汰の行動が
“幸せ”の終わりの


前触れとは 




気づかずにいた―・・・

香夜 著