スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【9】

      圭汰へ

お元気ですか?

もうすっかり夏ですが、バテてませんか?
それだけが、気になって、気になって・・・

ホントに気をつけてよ!
ウナギ食べて!ウナギ!!(笑)


また、いつでも戻って来てね。
・・・待ってる。


 


圭汰が旅立ってから、
9年が経ち、
あたしは今年23歳になる―


「明日香ちゃーん、これ印刷かけてぇ!!」

「はーいっ」


高校を卒業して、実家の近所にある会社に就職した、
あたしは 友達もでき、仕事も忙しいですが、
それなりに元気にやってます!




「・・・ふあぁぁぁぁ・・・
 疲れたぁ・・・」

あたしは、仕事を終え、眠たい目を擦りながら、
家までの暗い夜道を歩く。

「やっぱり、ほぼ1日中、パソコンとにらめっこはきついなぁ・・・」


あっ!そういえば
圭汰宛ての手紙出すの忘れてた!!



9年経った今でも
圭汰とは、手紙や電話のやりとりをしたり、
高校生の頃は、夏休み等のまとまった休みにも
会ったりしていた


今も“幼なじみ”として付き合っている


「・・・てか、そろそろ夏休みかな?
 短いけど・・・;
 圭汰んとこはいつからかなぁ?」

圭汰も社会人だ
だから、限られた時間の中でしか会えず、
しばらく会っていない・・・


「・・・会いたいよ 
 圭汰・・・」

気がつけば、君を求めている


あたし・・・
圭汰なしじゃ
やっていけないよ・・・


つくづく 自分は
弱いと思う―




ー翌朝ー


ヴヴヴッ ヴヴヴッ


「・・・ん?」


休日の朝、

あたしは携帯のバイブの音で目覚めた


ヴヴヴッ ヴヴヴッ

「なに〜?でんわぁ??」

受話器ボタンを押した。


すると、

「明日香?」


懐かしい声にあたしは

一瞬で目が覚めた




「け・・・圭汰!??」

香夜 著