スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【18】

本当は言うつもりなんてなかった

・・・でも、あの大きな背中を
ずっと見てたら・・・
もたれていたら・・・


気持ちに歯止めがきかなくなってた―



「・・・え?」

夏の暑い夕方・・・

あたしはまた届くはずのないものに

手を伸ばしてしまった



そのせいで、圭汰は驚いている。



でも、ちゃんと伝えたかった
“本気”だってこと・・・


「・・・好き・・・圭汰」


吐き出してしまえと思った

ずっと、溜まってはあふれそうだった


この気持ちを―・・・



「明日香・・・」

圭汰があたしの方へ、振り向く。


・・・わかってる
“幼なじみ”だって

ちゃんとわかってる・・・


あたしは少し俯いた。
なんとなく、見るのが怖かった・・・


「・・・お前、バカだよな」

圭汰はこう言う。


「・・・はっ?」

意味が分からなかった





「・・・俺も、お前のこと好きなんだけど
 ・・・女として」











もう真っ白だ―・・・

香夜 著