スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

スノードロップ (作者:香夜)

スノードロップ 【19】

〈・・・俺も、お前のこと好きなんだけど
 ・・・女として〉



「・・・へ?」

間抜けな声が出た。

頭があのスノードロップの花びらみたく

真っ白になって・・・


「・・・な、なんだよ」

「・・・“好き”??」


何も考えらんなくて・・・


「・・・ん
 “あの日”のずっと前から」

「え? 
 ・・・じゃっ、なんで!?」


考えてるヒマもなくて・・・


「あ・・・あれは・・・その
 まだ、子ども・・・だったし
 引っ越すし・・・遠距離になるし・・・
 そ、それで・・・」


余裕もなくて・・・


「・・・って!!
 なんで、明日香っ
 泣いてんだよ!?」

「・・・ご、めん
 う・・・嬉しくて・・・ついっ」



ただ、ひたすら夢じゃないかと


「・・・明日香?」

「・・・ん?」



「・・・好きだ・・・」




思わず、頬をつねりたくなるような



「・・・あたしも
 圭汰が・・・大好き・・・」









幸せな 幸せな 









ひとときだった―・・・・・・

香夜 著