スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青春生き残りゲーム 【７】〜完

　　「ミナト・・・こいつは俺に任せてお前は逃げろ・・・」

　　「えっ？！でも・・・・」

　　「いいからお前は逃げろ！！！」

　　「サンとの約束はどうするんだよ！！」

　　「・・・約束は守れないかもしれない・・・でも、ミナトは助かるだろ？」

　　「いやだ！！そんなのいやだ！！！」

　　「ミナト・・・お前だけでもサンとの約束をー・・・」

　　「いやだ！！僕はワタルと一緒じゃなきゃいやだ・・・」

　　「いつまでも甘えんじゃねぇ！！テメェも男だろ！

　　　このゲームは誰かが犠牲にならなきゃダメなんだよ・・・だから、お前だけでも約束を守ってくれ」

　　「・・・・でも・・・」

　　「ミナト・・・わかったか？だからお前は逃げろ・・・」

　　「わかった・・・」

　　「・・・・じゃあ行け・・・」

　　「うん・・・ワタル！絶対に戻ってこいよ！」

　　「・・・おう！！絶対に戻って来てやるからな！！（ニカ）」

　　　

　　　この会話が僕とワタルの最後の会話だった

　　　

　　　＋一ヶ月後＋

　　　あれからワタルは戻ってこなかった

　　　僕はまだ生き残っている

　　「ねぇ君・・・・俺らの仲間」になれよ・・・な？」

　　「！！！」

　　　鬼だ

　　「いやだ！僕は鬼なんかにならない！！！」

　　「！！あっ！逃げたぞ！！追え！！」

　　　僕は走った

　　　走ることしかできなかった

　　「（ズサァァァ！！！）！！痛ぁ！！」

　　「おい！！居たぞ！！！」

　　「！！・・・・」

　　　もうダメだ・・・

　　　サンとの約束なんてもう守れない

　　　ワタル・・・サン・・・・ごめんね・・・約束守れなかったよ・・・

　　　遠くから声がした

　　『ミナト・・・諦めるな・・・・お前は・・・まだ生き残ってるだろ？』

　　「・・・・ワタル・・・？」


　　『ミナトお前は逃げろ！！ひたすら逃げろ！！ネズミのように・・・』

　　「ワタル・・・・でも・・・・僕もうダメだよ・・・」

　　『まだ捕まってねぇんだ・・・今すぐ立て！そして逃げろ！！

　　　ミナト・・・・ただ生き残れ！！サンとの約束を守ってくれ』


　　「・・・・うん！！わかった！！！」


　　　僕は立ち上がり走った

　　　ただ生き残る・・・これは、そうゆうゲームだ

　　　


　　　僕は生き残る！！


　　　ネズミのようにただ生き残る！！

　　　
　　　サンとワタルの約束を守るために・・・


　　　サン・・・・ワタルはもう居ないけど僕は生き残るよ・・・


　　　君との約束を守るために・・・

　
　　　最初は勝ち目なんてないバカなゲームと思っていた・・・

　　
　　　だけど、僕には約束がある・・・

　　
　　　だから、生き残る！！

　　
　　　二人の約束を守るために・・・・


＝完＝