スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

UFOの見える丘 (作者:ひかる)

UFOの見える丘 【4】

「着いたよ」


UFOの見える丘なんて、あるわけない。
だから俺は、適当に近くの丘へ連れて行った。


「ここじゃない・・・

「え?

「ここじゃないわ!

なんで?なんでわかるのさ。
テレパシー?そうか、シェリーは宇宙人だからテレパシーとか使えるんだ
俺はそう思うことにした。


「騙したなんて・・・
「え、いや、騙してなんかないよ
 っていうか、そんな丘あるわけないだろ。

ウイリーは驚きを隠せない。

「いいえ、あるはずよ、あるはず・・・


シェリーは大きく息を吸って、

「・・・私、あなたと一緒に生きるわ
「は、?
「ウイリーに戻れるまで、あなたといっしょに行動する。
「ちょっと待って、俺にだって生活があるんだから


彼女はいない、でも、そういう問題じゃなくて
世間的にどう思う?
宇宙人と暮らしてる?第一、俺とシェリーの関係ってなに?

そのとき俺は、世間とか世の中とかの流れからはみ出したくなかった。
何か問題を起こしたら、偏人とか騒がれて
そういうことがめんどくさかったから。



「大丈夫、あなたの住んでいるところはどこ?
 そこから出ないようにするから。


話しても無駄だ、
それに、シェリーは今居場所がないんだし・・・
そこまで言うなら、少しの間はいっか・・・

そう思い、俺は家に連れていった。

ひかる 著