スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

UFOの見える丘 (作者:ひかる)

UFOの見える丘 【5】

「ここがあなたの住んでいるところ?
 すごい、これは何でできているの?

そんなに驚くことかなあ。
ただの木造オンボロアパートの二階なのに

「木だよ、tree.
「treeね。

っていうか、シェリー・・・
会話の中で、英語と日本語使ってるね
カタコトだけど。
・・・ま、そこは深く考えないでおこう。

「それなら、私の住んでいるところもそうだわ。
 少し形が違うけど
「どう違うの?
「育っている木の中に住んでいるわ

へえ〜


ま、これもまだ夢かもしれないし、とにかく寝よう。



チュンチュン

「やっぱり夢じゃなかった」
先に起きたのはシェリー
もちろん、布団というものも知らなかったから
こんな布に丸まるのね、と言っていたっけ。

時計を見たら9時

やっべー!出かけてくる!
「どこに?
「仕事、仕事。

「じゃ!


バタン


ガチャ

「?

「外、出ないでよ。ベランダはオッケーだから。

シェリーは少し微笑んだ

バタン


よし、シェリーが初めて笑った
思い返して、俺も少し笑った。



今日は、久しぶりの晴天
雲ひとつない、
青い空

俺のこころの中に、新しい感情が
ちょっとだけ湧きあがっていた。

ひかる 著