スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

eternal2 (作者:ナナ)

手を伸ばす 【7】

 アオイには、いろいろなモノが見えたり、感じ取れるようになっていた。
「気を失ってるはずなのに…」
 それが、アオイの率直な気持ちだった。
 アオイは、気を失っているはずであった。
 それなのに、あるときは看護師の他愛も無い会話が聞こえたり、あるときは見舞いに来るユウトの姿が見えたりもする。
 でも、触ることは出来なかった。
「何なんだろう…」
 それが、4日目か、5日目ぐらいのときだった。

ナナ 著