スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

クリスピー (作者:ひかる)

クリスピー 【5】

待ち合わせ場所は、近くの小さな公園だった。

ナナが先に来て、彼を待っていた。


彼「ごめんなー遅れたあー

彼は遅れてきた。

謝っておきながらも、急いだ様子はなく、誠意が感じられない。

ナナの彼は、俗に言うお金持ちだった。と言っても親のすねをかじったような。

ナナの家は、ナナが子供の頃お金がなく、貧しい生活だった。

そんな時、ナナの父は彼の父の会社に雇ってもらい、今の生活がある。

・・言わなくてもわかるだろう。そういう事なのだ。


ナナ「あのね、あなたに言わなきゃいけないことがあるの。

   別れてほしいの。別にあなたを嫌いになったわけじゃないわ・・。

   でも気になる人が出来たの。

彼「・・は?何言ってるかわかってる?

  お前らの今の生活は、何のおかげであると思ってんだよ。

ナナ「ごめんなさい!!

ナナはそう言い残してその場から立ち去った。

走った。もしかしたら、追いかけてくるかもしれないと思った。

でも追いかけては来なかった。ナナはホッと一息ついた。

彼「ナナ・・。逃げられると思うなよ。。。



翔は友達として、花屋へ会いに行った。

ナナ「ねえ、翔くん。今度の休みに遊園地に行かない?

翔「えっ?いいの?行こう!

翔はただただ一緒にどこかへ行ける、というだけでも嬉しかった。

翔「(『友達』としてはわかってる。でも、、。


約束していた日が来て、二人は遊園地へ行った。

今日は久々にまた、青い空が広がっている。

何かありそうな気がしていた。

ひかる 著