ハニーハニー (作者:P)
ハニーハニー 【6】
夏休みは休みながらも、ちゃんと部活に行って、大会にも出た。
休んだ次の日には必ず、「なに休んでんだよ」とねちねちやられた。
わたしはどんどん削られて行った。
そして新学期。最初の日は部活がなく、友達と遊んだり、のんきなものだった。
次の日、部活が怖くて、学校を休んでしまった。
その日から、わたしは学校を休んだり、少しだけ行ったりして、ほとんど家にいるようになっていった。
部活には1回も行かなかった。
先輩を見るのがこわかった。
何週間かした時、メールがあった。
黒崎誠也。
彼氏だ。
中学に入ってから付き合い始めたが、結構うまくいってるかなーと自分では思っていた。
その頃は、もう学校に行くことも怖くなり、ずっと家にいたから、このメールはそのことについてかなと思っていた。
『この頃学校こないけど、どうしたの?
ちょっとはなしがあってメールした。』
やっぱりだ。
『ちょっといろいろあってね。はなしってなに?』
誠也のはなしなんて、たいしたことないな。その考えがまちがいだった。
『別れてもいい?』
『え?』
『いい?』
『誠也がほんとにそうしたいんだったらね、ほんとに、本気で。』
『じゃ』
そこでメールが途切れた。
じゃって・・・。
悲しかった。
キズだらけの心に、ぽっかり穴があいた。
どうしてだろう?
わたしはなんとなく、親友の理恵に電話した。
「どうしよう・・・・誠也が別れてくれって・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「理恵?どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「なにか知ってるの?誠也の別れた原因、知ってるの?」
「・・・・・・・・・・・・・うん」
「教えて!傷つかないよ、絶対。だから!」
もう、これ以上心が削られるなんて、絶対無い。そう信じていた。
「・・・・・・・・わたしが」
「へ?」
「・・・・・・・・・わたしが誠也と付き合ってるの。天が休み始めたときくらいから。」
「・・・・・・・・え?だって・・・・・・」
「じゃ、切るね!」
ガチャン、ツー、ツー、ツー・・・・・
わたしはもう一つの、深い傷を負ってしまった。
P 著