雪溶け (作者:ハチ)
雪溶け 【3】
「・・・い・・・・花井・・・・・・・花井ちか子っっ!!!!!!」
「ひゃいいぃぃっっっ!!!!」
しまった、授業中に寝てしまった!
「花井、最近集中できてないぞ。お前も受験生だろ、しっかりしろ」
「はい・・・」
もうやだな、学校なんて。
みんなも先生も、何だかんだいって、結局テストや成績のことばっかりだし。
どうしてもっと学校を楽しもうと思わないのだろう?
・・・一輝がいた時は、こんな風に思わなかったのに。
「どうしたの?ちか子」
「・・・んっ!?なんだ、美恵かぁ」
美恵は私の親友。
「『なんだ』って、何その言い方っ」
美恵は少し怒りながらも、笑いながら言った。
「最近、ちか子元気無いじゃん。何かあったの?」
「まぁ、色々とね」
「そっか。・・・・・そうだ、今からどっか行こっか!」
「・・・へ?今からっ!?」
“突然”そんな二文字が美恵にはぴったり当てはまる。
「いいじゃん、どうせ暇でしょっ」
「勝手に暇って決めつけないでよっ」
「ちか子、用事あるの?」
「・・・無いけど」
「・・・・・・ぶっ」
「「あはははっ!」」
どうでもいいことで笑える、美恵がいてくれる、
それだけで今の私にとっては大きな救いなんだよね。
ハチ 著