楓<by 凛>
(注)歌詞でありません。 曲の解釈を、勝手に解釈したものです。
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きっと僕は君を忘れられないんだろう。
だって、忘れるつもりがないんだから。
それは時が経っても同じなんだ。
あの頃の他愛のない、きっと僕たちですら思い出せないような会話や、ふとした瞬間に互いを刺してしまった鋭いトゲでさえも、君が笑ってしまえばそれは傷跡を残しながら小さく丸いものに変わって、僕の中からすっと抜けていった。
それは時が経っても同じなんだ。
ねぇ、まるで望遠鏡を覗くかのように二人の将来を話したけれど、それは一体どんなものを見ていたのだろう。
だって、その中には僕だけでは到底叶えられそうにもない夢もあって、結局は叶えられなくて、一緒に見ていた君が必要で。
さよならと言ったけど、でもね、僕は君の声を、君のことを、抱き締めながら守りながら、歩いていくよ。
君の思い出に縋るだけで君自身を失ってしまった今の僕は、どこの辿り着けるんだろう。
辿り着くところはあるのかな。
探していたんだよ、君と会うあの日まで、ずっと。
今では懐かしいと思える言葉を、僕はずっと探してた。
そして君は初めてそれを言ってくれた人だ。
僕が勝手に作っていた壁はガラスのように脆くて、それの外には、点々と何かがあるだけだった。
そして君は唯一、僕がその中で他と区別して認識した人だ。
まるで風が吹いたら飛んでしまうような、そんな、軽い気持ちで、他の人たちと同じような、けれども僕の中では特別な君との幸せを、信じていたのに。
これから今までどおり普通に傷付いたり、誰かを傷つけたりしていく。
君がもうできなくなってしまったことを、こうして日々している僕なんかが、一体どこに辿り着くというのだろう。
辿り着いてしまったりして、いいのかな。
他の人からすればあっという間だ。
けれど、君を失った僕にとってはこんなに長い時間を経て、君を失った季節がやって来た。
あの頃の君の声が、あの頃の僕の声が、甦ってくる。
君にその名前で呼びかけること、君にこの名前を呼んでもらえること、こんなに幸せなことだったんだね。
君にもまた聴こえてるの?
やっぱり僕は、あの頃の君の声を手放せずに歩いていくよ。
こんな僕は、君のいないどこに辿り着くんだろう。
君の幸せを願えず自身の哀しみに囚われている僕が、君にもう一度会えるのかな。
君に手が届けばいいのに。
けれど、きっとダメだ。
君の声を、もう一度聴かせてほしいのに。
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